モテ期到来!?!憧れ上司とイジワル同期に迫られてます
「仁さん?」


私の呟きに視線が交わる。


「悠菜、『何もなかった』って言葉を信じていいのか?」


仁の言葉に大きく頷く。


「うん、何もなかった。」

「悠菜は泥酔してただろ?俺が何か…………。」

「剛はそんな奴じゃない。」


剛の言葉を遮った。

私の腰に回された仁の腕に力が込められる。


「剛の策略か?」

「…………。」

「残念だな。悠菜だけは諦めたりしない。どうせ剛の策略だろ?」


策略?

剛に視線を向ける。

仁から私に向けられた目と合う。


「悠菜を取られたくなかった。」

「…………。」

「高井戸社長の息子にも…………兄貴にも…………。俺はずっとお前を見てきたし、ずっとお前を想ってきた。」

「…………。」

「悠菜、俺は本気だ。」


冗談じゃない。

そこには見たことのない真剣な顔がある。


「俺は本気だ。」


剛の本当の気持ちが伝わってくる。

剛の本当の気持ちが…………。


「俺はずっとお前を想ってた。」
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