空の君へ
『なんか飲み物ある?』

「俺の飲みかけなら」

『ちょうだい』

緊張しすぎて喉がやけにかわく。ゴクリ、一口。たかしが
「間接キスだぁ」

『はぁ?』

「なんだよ照れるなよ!」
『照れてないから!』

『変な会話だね。』

「冗談冗談ガキじゃねーし間接キスくらいよゆーだな」

『ほんとだよ!たかしが変なこと言うから飲みにくくなったじゃん』

「それはすんまへんな」

『はは(笑)いいよ』

その時だった!!
ゴロゴロ!ピカーン!
近くに雷が落ちた!
雷嫌いな私は、かなり驚いてそして怖くて床にうずくまろうとしたその瞬間、たかしに手を取られ、引き寄せられた。そして優しく抱き締められた。

驚いたのと緊張で心臓はバクバクだった。
抱き締めたまま、たかしが私に問いかけた。

「大丈夫?ビックリしたなぁ」

『うん。』

「しばらくこうしてていい?」

『うん。』

なにがなんだか、わかんなかったけど、ずっとこのままでいたいって思って、そのまま、たかしの腕の中にいた。

『ごめん、ありがと』

パッとたかしから離れようとした。そしたらまた、グイっと引っ張られ、もう一度抱き締められた。

「いや?」

『嫌じゃないけど、どうしたの?』

「なんとなく、このままでいたい。」

『そっか』

私はドキドキが聞こえちゃうのが恥ずかしくて、離れようとしたのに、そんなのはもうどうでもよかった。
「ドキドキしてる?」

『そりゃそうだよ。』

「おれも!」

二人して笑った。

『なんか変だね』

「そだな」

『でもなんかこうしてると落ち着く。』

「まぢね!!」

そして二人、目が会って、初めてキスをした。

「照れるね」
『うん』

『そろそろ帰ろうかな!』緊張しすぎて帰ることしか思いつかなかった!

「おぉ。気をつけてかえれよ!」

「てか携番とメアド教えてよ!連絡するから。」

『あっはぃ!』

番号とアドレスを教えて、わたしは小屋を飛び出した。いつのまに雨も小雨になって遠くには、薄ら虹がみえていた。
< 4 / 4 >

ひとこと感想を投票しよう!

あなたはこの作品を・・・

と評価しました。
すべての感想数:0

この作品の感想を3つまで選択できます。

この作家の他の作品

公開作品はありません

この作品を見ている人にオススメ

読み込み中…

この作品をシェア

pagetop