その瞳は、嘘をつけない。
昨日は結局一日中、
とにかくずーっと、もやもやとしていた。

本を開いても全然頭に入ってこない。
テレビをつけても、寂しさを感じるだけで、
もやもやもやもやと
自分の頭から音が出てこないことが不思議なくらい。

せっかく誘ってもらったのに、
自分の失態に腹が立ち、
うまく振る舞えなかった自分に悲しくなり。
謝罪をしようにも、一之瀬さんの連絡先は聞いていないままだった。
家は知ってるのに・・・変な関係。

一晩同じ家で過ごして、
何もなかったことに安心している反面、
少し残念でもある。
一之瀬さんから見たら、手を出すほどの魅力なんてないんだろうな、私。

もっともっと、魅力的になりたいのに。

自分に自身が無いから彼氏が出来ないのか、
彼氏がいないから自身が持てないのか。

正直自分でもわからない。

でも、彼氏が欲しいからと言っても誰でも良いわけではなくて。
大好きで、愛おしくて。
私のことも愛してくれる人と、一緒にいたい。

そう、耕平と過ごしていた時みたいに。
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