もう一度、愛してくれないか

「わかった……話は、それだけだな」

おれはダイニングテーブルに両手をついて、椅子から立ち上がった。

「ちょ…ちょっと、待って……あのね……」

妻はまだなにか言いたそうだったが、遮った。

……絶対に、聞きたくないからだ。
おまえの口から「離婚したい」なんて言葉を。


「悪いが、明日のゴルフコンペ、朝早いんだ。
……支度したら、寝るから」

おれはそう言って、ウォーキングクローゼット代わりにしている部屋に向かうために、リビングを出た。

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