もう一度、愛してくれないか

「……おまえのスマホ貸せ」

紗香が手にしていたスマホをひょいと取った。
LINEをタップし、ふるふるで互いのIDを入れる。

「おれに内緒で、いつの間にガラケー卒業して、
iPhoneデビューしてんだよっ」

少しふてくされて言うと、彼女が「気がついてたんだ」とちょっと驚いた顔をした。

だが、すぐに、

「大地が『スマホくらい使えないでどうすんだっ』って言うから、ついて来てもらって替えたの」

と言って、くすくす笑った。

……なんだ。歳下のホスト(推定)から勧められた、ってわけじゃなかったんだな。

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