卒業

高校生 ~夏~







夏休みが終わり、授業再開…………



しかし、うちの学校では9月の最後に学校祭がある。



夏期講習で疲れた3年生にとって、学校祭は最高のイベントだ。詰まった気持ちと頭をリフレッシュする、そんなイベント。



各クラスで催し物を決めるクラス会が行われた。










『何がいいですかー』



また瀬野尾くんが教壇からみんなに問いかける。




ーー何か食べ物屋とかは?

ーーえー、準備大変そう~

ーーじゃお化け屋敷とか?

ーーめっちゃベタじゃん!

ーーえー、じゃあ何~

ーー写真屋とかは?

ーーなにそれ?何するの?

ーーえ、写真とってあげるの(笑)

ーーそれだけー?!

ーーウケる(笑)

ーーでもさ、準備とか楽じゃない?





もうみんな好きずきに話はじめて、何がなんだかわからなくなってきた。この調子じゃなかなか決まらないよな……





そう思っていたとき、瀬野尾くんが発言した。





『それ、いいと思うー! 写真屋!』





ざわついていたみんなが一斉に瀬野尾くんを見た。





瀬野尾くんの考えをみんな黙って聞いた。


すごい……


たったこの時間でそこまで具体的な提案が出来るなんて。


私はただただ感心し、黙って瀬野尾くんの提案を、簡単にまとめながら黒板に書き出した。


瀬野尾くんが話し終わるやいなや、クラスのみんなが写真屋をやる気になっているのがわかった。





結果、私たちのクラスの出し物は、写真屋に決定した。










そして、その日から

わたしの最高に幸せな思い出の日までの

カウントダウンが始まった……





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