卒業
その後、大学は別々だったけれど、何かあると瀬野尾くんは私に連絡をくれた。
話を聞いてと言っては私を呼び出し、美味しいものが食べたいと言っては私を呼び出し。
私は瀬野尾くんのどんな話でも聞くのが好きだった。
大学の先生の話
大学の学食の話
友達の話
本の話
映画の話
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そして、この関係は大学を卒業して、お互いに就職してからもゆるりゆるりと続いた。
瀬野尾くんは話しやすい友達として私を呼んでくれているのか、私の気持ちには触れようとはしない。
でも、万が一この気持ちを気づかれてしまったら、この関係は終わりを迎えるだろう。そう感じていたから逆に気持ちを聞かれなくてほっとしていた。
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