騎士団長のお気に召すまま
少し黄色みがかった薄茶色の煉瓦で造られた巨大な塔が中央に聳え立つように鎮座し、その脇には取り囲むように少し細く背の低い塔が3つほど等間隔に並んでいる。
敷地には巨大な塀が建造され四辺を取り囲んでいるが、そのところどころには塀の上に行き来するためだろう塔がいくつか併設されていた。
それらいくつもの塔にはもれなく青の騎士団の紋章が描かれた青い旗が掲げられ、風に靡いている。
敷地内へは巨大な門から出入りするようだが、その入り口は騎士団の守衛によって守られていた。
「すみません、シアン様にお会いしたいのですが」
守衛は眉間に皺を寄せていかにも不機嫌そうな顔をする。
それもそのはず、突然現れ騎士団長に会いたいと申し出た娘など怪しい以外の何ものでもない。
髭を蓄えた守衛は巨大な槍を抱えたまま「ならん」と言い放った。
「関係者以外は立ち入り禁止だ」
「あ、あのう、今日お会いする予定なのです。団長室へ伺うよう、シアン様から言われていて…」
「団長がお前のような小娘に会うわけがねえだろ!とっとと立ち去れ!」
手で追い払うような仕草をすると、その守衛はもうアメリアのことなど視界にも入れていないようだった。
その言動にアメリアは苛立った。
いかにアメリアが娘だからとはいえ、人を見た目だけで判断し追い払うなど、そんな横暴な真似が許されていいはずがない。
騎士団は王国と国民を守るためのもの。国民に横暴な態度をとるなど不適切にも程がある。
アメリアはが顔をしかめているとふいに声がした。
「アメリアどのではありませんか?」
敷地には巨大な塀が建造され四辺を取り囲んでいるが、そのところどころには塀の上に行き来するためだろう塔がいくつか併設されていた。
それらいくつもの塔にはもれなく青の騎士団の紋章が描かれた青い旗が掲げられ、風に靡いている。
敷地内へは巨大な門から出入りするようだが、その入り口は騎士団の守衛によって守られていた。
「すみません、シアン様にお会いしたいのですが」
守衛は眉間に皺を寄せていかにも不機嫌そうな顔をする。
それもそのはず、突然現れ騎士団長に会いたいと申し出た娘など怪しい以外の何ものでもない。
髭を蓄えた守衛は巨大な槍を抱えたまま「ならん」と言い放った。
「関係者以外は立ち入り禁止だ」
「あ、あのう、今日お会いする予定なのです。団長室へ伺うよう、シアン様から言われていて…」
「団長がお前のような小娘に会うわけがねえだろ!とっとと立ち去れ!」
手で追い払うような仕草をすると、その守衛はもうアメリアのことなど視界にも入れていないようだった。
その言動にアメリアは苛立った。
いかにアメリアが娘だからとはいえ、人を見た目だけで判断し追い払うなど、そんな横暴な真似が許されていいはずがない。
騎士団は王国と国民を守るためのもの。国民に横暴な態度をとるなど不適切にも程がある。
アメリアはが顔をしかめているとふいに声がした。
「アメリアどのではありませんか?」