【完】孤独な闇の中、命懸けの恋に堕ちた。
蘭君の言葉と言う名の恋の魔法に操られて、結局一睡もできないまま朝を迎えた。
授業中もずっと上の空で、口だって半開きの状態がずっと続く。
そんな、一瞬で恋に彩られた私の世界は、嫌なことも全部忘れてしまっていたせいで
放課後。
「ちょっと、顔貸しな」
丸川さんが腕を組みながら校門で私を待ち伏せしていたことに、赤い顔が分かりやすく青に染まった。
「なんか...用ですか?」
連れてこられた場所は、なんともベタな校舎裏。
警戒しながら辺りをキョロキョロと見渡してみたけど。
どうやら昨日の男達は居ないみたい...
少しだけホッとして、胸を撫でた。