【完】孤独な闇の中、命懸けの恋に堕ちた。






「...っ...」



あれ...?



瞬きをしたら一瞬で気が抜けて、まるで病のようにポロポロと涙が溢れてくる。



だめだ...


止まんない。


なんで、痛いよ。



蘭君に会えないだけで、こんなにも胸が張り裂けそうなのに。


神様ってずるい。

どうにかしてもくれないんだ。


空から見ているだけの神様ならいらないから。



ねえお願い


ーーー蘭君に会わせて。




泣きながら歩いていても、気にかける人なんか振り向いてくれる人さえいないネオン街は、朝と違ってやっぱり冷たい夜の世界。


皆がみんな...見えない振りをする。



地面に滲んで、一瞬で消える私の涙なんか
この世界には必要ないのかも。



全てがどうでもよくなれたら、ハッピーエンドで済んだのに

やっぱり、どこまでもそうさせてくれない神様が、ピンク色の文字が目立つ卑怯な看板のお店の前で私を立ち止まらせる。












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