【完】孤独な闇の中、命懸けの恋に堕ちた。
リビングとは違って、少しだけ人間らしさが残ってる寝室は、ベッドのシーツが乱れていても直されていない。
寝て過ごす為だけにあるこの部屋は雑に扱われていた。
「ベッドは好きに使え...つっても、"ヤラシイ"ことには使うなよ」
「なっ...なんですかヤラシイことって!!」
「あ?そりゃあお前...布団の匂い嗅ぐとかだよ」
「そんなことしませんよっ!!私は犬ですか!?」
「鳴け、ポチ」
「だから犬じゃありませんって!!」
大人な彼が見せる、かわいい一面。
さっきまで緊張してたのに...砕けた会話で少し解れた。
もしかして変に緊張してる私に、気を使ってくれたのかな...?
「さっさと寝て帰れ。」
...なわけないか。
完全に邪魔者扱いされてますし。