【完】孤独な闇の中、命懸けの恋に堕ちた。
バイト終わりで疲れてる蘭君を寝かせないなんて。
私ってばなかなかのひどい奴。
そんな私に呆れたのか、蘭君は何も言わずにドアを思いっきり開けて部屋から出ていってしまった。
...調子に乗りすぎたのかも。
でもあんなカッコイイ人と同い年だったってことが嬉しくて、ついついお喋りなっちゃった。
蘭君が寝ていたスペースに残る、温もり。
乱れたシーツを整えて、ちょっとだけ彼が寝ていた場所に寝転がってみると...
「ーーーおい、ホットミルク入れてきたぞ。
これ飲んで寝ろ」
「わっ!!?」
「...あ?」
物音も立てずに現れた蘭君に驚いて、ドテーーン!!とベッドから落ちてしまった。
...恥ずかしい。
「...なにやってんだ、お前」
「ごめんなさい、本当にごめんなさい」
「...?だからなにがだよ」
ベッドに残っていた蘭君の温もりを肌で感じていたなんて言えるわけなく...。
聞かれても絶対に答えられないから、ただただ涙目になりながら黙った。
「...まあ、どうでもいいが。
ほら、これ飲め」
「ありがとう...蘭君優しいね」
「バカ言うな。お前がうるさくてしょうがねえから、さっさと寝てほしいだけだ」
「...」