【完】孤独な闇の中、命懸けの恋に堕ちた。






この数日間色んなことが起きた。


泣きながら私に抱きつく光花に、溜まりに溜まった学校のプリントを渡されたこと。


蘭君に胸ぐらを掴まれたことを根に持った歩夢さんが、蘭君の嫌いなトマトを私の目の前で無理矢理蘭君に食べさせてあげていたこと。


助けた男の子と母親がお見舞いに来て、何度も頭を下げられたこと。


それと


病院のベッドに縛られる生活を送っていたせいで
実感が湧かなかったけど...。



今隣には、私の荷物を持って歩く蘭君がいる。


ありえない...


本当に私この人と付き合ってるのかな...?



「...」


「おい、彩羽。どうかしたか?」



急に足を止める私の顔を覗いてくる蘭君。



そういえば...


蘭君から"付き合おう"なんて、一言も言われてない。





それってつまり...まだ友達のままなの?









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