Flower love
「ちゃんと、ラウルにもお礼、言わなきゃね」
「はいっ」
あたしはにっこり笑って、こくんと頷いた。
「それから、一つ僕と約束してくれる?」
「何ですか?」
「必ず、この時代に戻ってくること」
あたしは少し考えてから、ロアを真っ直ぐと見つめて頷く。
「約束します」
「よし、良い子だね。じゃあ、今日はもう寝よう」
ロアはあたしの頭をまた撫でて、立ち上がろうとする。
あたしは慌ててロアの腕を掴んだ。
ロアは不思議そうにあたしを見つめている。
あたしは思わず顔を赤くし、目を逸らした。
「……あの……あたし、警戒心は持ってるんですけど……あのっ……今日だけ、一緒に隣で寝てくれませんかっ……?」
そんなのズルいと思うけど、何故だか今は誰かに傍にいてもらいたかった。
断られると思ったが、ロアはあたしのそんな様子を見て、ぷっと噴き出した。
「な、何がおかしいんですか!」
「いや、可愛いなと思って……」
「か、可愛くないです!」
あたしは顔を真っ赤にして、ロアの腕を軽く殴った。
「いいよ。隣で寝てあげる」
ロアはにっこりと笑って、電気を消してあたしの隣に移動する。
部屋の中は電気がついていないのに、月明かりが入って来て明るかった。
「お金の計算しないで終わったな」
「あ、ごめんなさい」
「いや、君たちの給料計算だから、僕には関係ないんだけど」
あたしは苦笑した。
これこそ、いつものロアだ。
あたしはそっとロアに身体を寄せる。
「……君ねぇ。全く学んでないでしょ」
「あ、い、嫌ですか?」
「嫌とかじゃなくて、むしろ嬉しいんだけど……あー、もう、面倒だな。今日だけだからねっ?」
ロアはぎゅっとあたしを抱き締めた。
だけど、今度は何故だか全く嫌じゃない。
父のような暖かいぬくもりで、逆に安心した。
「……ありがとうございます」
「いいえ。……おやすみ」
「おやすみなさい」
あたしはロアの服を掴んでゆっくり眠りに落ちていった。