Flower love
「……明日は、バイト休んでいいからね」
ロアはあたしの頭を撫でながらこう言う。
「何で、ですか?」
あたしは涙を拭いながらロアの顔を見上げる。
「ん? リンちゃんには、これから僕の課題をやってもらうから」
「……課題?」
「そっ。一つ目は、ラウルの家に行って、ちゃんと仲直りすること。二つ目は、ロウンさんと仲直りすること。ラウルの家は、君の良く知ってる家。分かるね?」
あたしは目を伏せた。
家は確かに分かる。
きっと、23年前のあたしの家。
父と仲直りするのは簡単だろう。
だけど、ラウルの方はあたしから別れようって、あんな酷い別れ方したのに、今頃会ってもいいのだろうか。
「ラウルね、リンちゃんがさらわれたとき、本当は来てたんだよ」
「……えぇ!?」
「僕と、レオが呼びに行ったんだ。レオが必死にラウルに頼みこんでたよ。「俺はもう無理して笑うあいつの顔なんか、見たくない。あいつを助けられるのは、あんたしかいないんだ」ってね」
「レオ……が?」
信じられなかった。
あの皮肉屋レオが、あたしのためなんかにそうまでしてくれたことが嬉しくて、思わず笑みが漏れてしまう。