「其の花の、真白に咲く」〜麗しの執事と令嬢の秘恋〜

やや遅い時間に家へ帰り着くとーー

侍女が外に走り出て来て、

「奥様、旦那様が、先にお帰りでございます」

と、告げた。

「…えっ? だってまだ、あの人が帰る頃じゃ……」

驚いて聞き返すと、

「なんでも日程が早まったとかで……」

侍女が声をひそめた。

口に手をあてて声を失っていると、

「やっと、帰ったのか」

低い声で言って、奥からキースが現れた。


< 143 / 207 >

この作品をシェア

pagetop