「其の花の、真白に咲く」〜麗しの執事と令嬢の秘恋〜

……私が話し始めるまで、彼は何も聞いてくることもなく、しばらくは紅茶を飲む音だけが静かな部屋の中に響いた。

「……リュート、」

カップを置いて、口を開く。

「…はい」と、彼が微笑むのに、

なんでも話してくださいという、全てを包み込んでくれる温かさが伝わるようで、

「……リュート、私……」

と、今までのことをぽつぽつと話したーー。


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