「其の花の、真白に咲く」〜麗しの執事と令嬢の秘恋〜
「……お赦し下さい。お嬢様」
不意の言葉とともに、急に身体が抱きすくめられた。
「……リュート……」
息が詰まりそうにもなって、それ以上の言葉が出てこない。
「……なぜ、私を困らせるのですか?」
耳元で、リュートが言う。
「……あんな風に、泣かれるなど……」
唇を噛みしめるようにもして、
「……私が、本当は……あなたを誰にもお渡ししたくはないことくらい、わかっておいででしょうに……」
そう告げる、その彼の頬に一筋の涙がつたっているようにも感じて、
「……泣いているの? リュート…」
尋ねる。
リュートは答えずに、ただ私の耳の下にそっと唇で触れて、すぐに身体を離した……。