「其の花の、真白に咲く」〜麗しの執事と令嬢の秘恋〜
「……詭弁ね。そうやって、あなたは正論を振りかざして、いつも私から逃げるのよ…」
「……逃げてなどは……」
口をつぐむリュートを見つめる。
「……。……何にもできないくせに……」
「……お嬢様」
不意に、彼がベッドの脇へ片膝をついて、
「……では、こうすればご満足なのですか?」
両腕を伸ばし、私の半身を胸に抱き寄せて、
「……私も、私の注げる愛情の全てで、お嬢様を愛しております……ですが、それを口にしたところで、この想いが報われることもないのだとしたら……」
耳元へ唇を寄せ、感情を押さえ込むようにもして静かに話した。
「……私は、どうすればいいのですか……」
私の顎の先を持って、自分の方へ向けさせると、
「……あなたは私の主人で、私は、あなたの従人に過ぎないのです……」
言って、想いを伝えるかのように再び口づけると、涙を一筋流して顔を片手で覆いうつむけた……。