「其の花の、真白に咲く」〜麗しの執事と令嬢の秘恋〜
……どんなに思い焦がれようとも、彼との間に愛情が成り立たないことくらいはとうに気づいていた。
私が辛いように、彼もまた辛いのだと……そう思っても、やり切れない気持ちは胸の奥でくすぶり続けた。
いつまで、こんな気持ちを持て余せばいいのよ……。
繰り返されて行く、通じ合えることのない日々の中で思う。
報われない思いを抱えて、私はどうすれば……、
……彼以外の人と、一緒になるしかないっていうの……?
何度自問を重ねても、真の答えに辿りつけることはなかった……。