Sweet Candy ~嫉妬~

「失礼します!」


そう言って部屋を後にする。


もう…陸のばか。



ああ…ばかはあたしだ。


彼氏の仕事に文句つけるんなんて最低だよ。


本当は応援してるし、陸が仕事がんばってるとこも大好きなのに。



さっきの光景が頭から離れないんだもん。


好きになったのも付き合うのは陸が初めてだからどうしていいかわかんない。



頭ん中がぐちゃぐちゃで何故か涙が出た。



陸ー…ごめん。






「なな!?」


不意に後ろから声がして、その声が陸って言うのもわかってしまったあたしは頬に流れる涙をぬぐってわざと振り返らずに歩いた。



「ななっ!」



陸は走っているから当然あたしに追いつくんだ。


つかまれた腕。振り向くあたし。




「一声かけてくれれば良かったのに。」


あたしの頭をぽんとなでるいつも仕草。


「ごめん。撮影中だったから…」



泣いたのばれたくなくて下を向いたまま。



「パスポートさんきゅな。」


「うん。」



普通にしたいのに、なんだかそっけなくしてしまうあたしは本当に子供だ。


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