今日もたっくんに溺愛されちゃっています。
◇◆◇拓海side◆◇◆
ああ…愛しの朱里が帰っていく。
俺は貴重な二人の時間を奪われるの大嫌いなのに。
母さんといい諒介さんといい、本当にデリカシーのない人達だな。
「寸止めくらって辛いよなぁ?ま、ドンマイ」
嫌な笑顔を浮かべた諒介さんが俺の肩をポンッと叩くと、余計にイラッとした。
諒介さんはそんな俺を面白がるように、さっきまで朱里が座っていた場所…つまり俺の隣に腰掛けると、当然のようにテーブルのお菓子に手をつける。
はぁ…ほんとにこの人は昔から変わらない。
「はい、あーん。とかおまえならやってそー。相変わらずバカップル全開でウザイわー」
「うるさい。で?なにしに来たの?」
パティシエの仕事は一見華やかだけど、すごくハードだと聞いた。
だから、心配で何度か電話やメールをしたもののオール無視。
まぁ諒介さんのことだから上手くやってると思って最近は連絡もしてなかったのに…
忘れた頃にひょっこり現れるんだな、この人は。