美しく優しいお姫様は探偵で
小春ちゃんは靴を脱ぎ、私の案内なく私の部屋に入っていく。
初めて来たはずなのに、慣れたように。
「小春ちゃん、私……」
そんな小春ちゃんの背中に言葉を投げる。
すると、小春ちゃんは足を止めた。
そして、私の部屋の写真を何枚も撮った。
「玲奈ー……私ねー、言いわけ聞きに来たわけじゃないのー」
振り返った小春ちゃんの目は、笑っていなかった。
「じゃじゃん」
小春ちゃんが見せてくれたのは、スマホ画面。
そこには『東雲玲奈の家発見』という文字と、今さっき撮った写真が映っている。