青春カラス
「だからカラスだって」

「カラスでも、男じゃん」

唇を尖らせる彼の態度を見て、思わず笑みがこぼれた。

「何だよ?」

「いや、意外と嫉妬深いのかなって思って」

「意外じゃないぞ。俺は相当嫉妬深い」

頬もプクリと膨らませた彼は、私の右腕をギュッと引き寄せた。

バランスが取れなくて、そのまま彼の胸に吸い寄せられる。

ギュッと抱きしめられて、耳元で囁かれた。

「だから、勝手にいなくなるとかもう止めてくれよ。何かあったらすぐに話してくれ。お前の不安とか、全部すぐに取り除いてやるからさ」

「うん。わかった」

そう言って、私も彼の背中に手を回して抱き着いた。

『カァ、カァ』

遠くて聞こえたカラスの声が、私には『よかったな』と言ってるように聞こえて。

私は大好きな彼の胸の中で、さっきのカラスにお礼を告げた。

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