待ってろあおはる
好きな人がいるという幸せを知った。

好きな人に愛される喜びを知った。

眠りについて、目が覚めても…
覚めない夢を知った。

新しい年を迎えたあたしたち。
未来の不安は、決して無くならないけど。
心はつながっていると、信じてる…。

今年もよろしくお願いします。の
メッセージに、
こちらこその返事。素直に嬉しい…。

家族でのんびり過ごしながら、
心の中で指折り数えてた。
あと1週間で、会える。
あと5日…。あと…。
それももう終わり。

…やっと明日会える。

今日のお昼には、寮に帰ってきた。
久しぶりの1人の空間。
ちょっと寂しいけど。

先輩に連絡…と、思ったら電話が来た!

ちづる?着いたの?

実家だと落ち着いて電話できずにいたから…。
ドキッとする。

やっぱりその声…すごい好き!

え?返事になってないけど?
てか、声だけじゃないだろな?と、笑う。

声だけなんて。…さあ、どうでしょ。
着いたよ。待ってた?
と、返事をする。

待ってたけど…
どうでしょってどうなん?

久々に、ふざけ合って笑える幸せ。

明日は、駅に12時に着くよ。
お出迎えよろしくね。と、言うと。

かしこまりましたよ。
気をつけてよ。と、心配そうな声。

何か心配?と、聞くと。

んー。なんか、本当に来れるのかなと…。

あのね…あたしは、オトナですぅ!!

わかってるけど…
ま、甘やかされといてよ。
じゃあ、明日ね。

うん。駅でね。飛びついてあげる。

え、勘弁して。と、笑いながら電話を切る。

今年最初の先輩とのデートだ…。

左手を目の前に上げて指輪を見る。

アクアマリンの水色が、空の色と重なって
ピカピカと光っていた。



< 59 / 102 >

この作品をシェア

pagetop