待ってろあおはる
またね
絵に描いたようようなイブのデートの後。
クリスマスはずっと外へ出ずに。
いろんな隙間を埋めるように、
何をしてても、くっついていた…。

誰にも邪魔されない、2人だけの時間。
お互いの知らなかったことを、
たくさん話した。
これからの不安なこと。
できる約束。
先輩の仕事のこと。
友達のこと。親のこと。たくさん…。

明日から、またしばらく会えないね。
あたし、実家に帰るのやめようかな…。
と、言うと。

ちょっと黙って…。
正直、嬉しい気持ちはあるけど。
ちづるのお父さんお母さんの気持ちを
考えたら、それは出来ないよ。

そう…だね…。わかった。
先輩は年末からは忙しいの?

うちの実家は、親戚が集まってくるからなぁ。
まぁ、ひと段落するまでは、忙しそうだね。
電話出来なくても、怒るなよ?と、笑う。

えー。やだー。浮気してやるー。
と、ふざけて言うと。

だーめ。ぜったいだーめ。
と、言いながらも…。
ぜんぜん信じてない余裕の顔だ。

ふふ。なるべく早く帰ってくるよ。
電車で先輩の実家まで、遊びに行っていい?

もちろん。駅まで迎えに行くよ。
迷子になったら困るしね。

なりませんけど?
もう!

時間が許す限り2人で過ごし。
お正月明けに会う日を決め。
次の日に、お互いの実家に帰った。

ずっと一緒にいたせいか…
先輩の愛情を、これでもかーってくらい
味わったせいか…
離ればなれになっても、不思議と
不安にならないで過ごせた。

また会える。
その想いが、あたしに幸せをくれる。

さよならじゃない、またねの笑顔が。

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