Perverse second
だけどこの気持ちは嘘じゃない。



「俺の気持ちをお前が勝手に嘘にしてんじゃねぇよ。嘘や冗談で6年も一人の女を想えねぇだろ」



採用試験の時に初めて出会って、人生で初めての一目惚れをした。



これが初恋だと気付いたのは、会えなくなった後だった。



薄れていくかと思っていた気持ちは薄れるどころか日に日に増していき、入社式で再会したときは飛び上がりそうになるのを必死で抑えた。



想いを伝えるまもなく大阪に赴任したけれど、何年たっても彼女は俺の心をとらえて離さなかった。



本社に戻って来てからは本当にあっという間で。



もどかしくて嫉妬で腹ただしくて、言い表せないような思いをしてきた。



「お前はそんなこと全然気付きもしねぇんだもんな」



ぎゅっと強く手を握ると、三崎はさらに強く握ってくれて。



「柴垣くん……好き」



言葉が溢れたかのように呟いた三崎の二度目の告白に心臓が止まるほど驚いたけれど、心に響いたその言葉がとても嬉しくて愛しくて。



「何度も言うと嘘に聞こえるって言うから言いたくないけど……好き」



俺の胸に顔を埋めてそう言った三崎のピンクに染まった頬を見付けて。



俺は彼女を強く抱きしめた。



「俺も……すげー好き」



考えるよりも何よりも。



溢れたのは素直な言葉だけだった。
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