Perverse second
けれどどんなに俺がアタフタしたところで、何が変わるわけでもない。




今まで女の心を動かしたいと願ったこともない俺は、当然ながら心を動かす努力もしてこなかった。



大切なものは恋愛以外にたくさんあったし欲さなかった。



そのスキルの無さを今になってこんなに嘆くことになろうとは。



後悔したって遅いし、やり直せるにしても、俺は三崎の心しか欲さないわけだから、当然結果は今と同じになる。



結局のところ、今の俺は三崎に俺を選ばせるような手立ても無く。



優しい言葉も、爽やかな笑顔も、さり気ない優しさも。



全部津田さんの専売特許で、何も持ち合わせていない俺は、心の中で後悔を膨らませるばかりだ。



せめて仕事だけは誰にも負けないと言えるような男にならねぇと。



アイツを変えても守ってもやれない。



なかなか集中出来ない頭を何度も何度も切り換えながら駅へと向かった。
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