Perverse second
タクシーから降りると、ほんのりと潮の香りがした。
博多港に面した会場のため、普段ではそうそう聞くことのない波の音が聞こえる。
しばらく眺めていたい気持ちを抑えて会場へと入ると、たくさんのブースが並んでいた。
えーと2課はどこだ。
キョロキョロと探していると。
「あ、三崎ちゃん!」
三崎を呼ぶ声に振り向くと、知った顔が手を振っていた。
「アイツ、豊島じゃね?」
そう三崎に同意を求めるけれど、最後に会ったのは確か3年ほど前。
本当にそうかは断言できないけれど、電話では結構話しているから間違いはないと思う。
「おー、やっぱ豊島じゃん。久しぶりだな」
「なん、柴垣も来たと?三崎ちゃんしか見とらんかった」
「相変わらず最低だな」
ケラケラ笑う豊島裕介も俺たちの同期で、滅多に会わないけれど気心知れた仲だ。
「豊島くん久しぶりだね」
「本当やね。電話では何度か話したけど会うのは1年ぶりくらいやないと?」
「そうかもねー」
人懐っこくて三崎とも気さくに話す豊島には、三崎もあまり飾らずに話せるようだ。
「2課はこっち。三崎ちゃんが来てくれてよかったー。福岡店は売上自体は悪くないけど、新規を確実にモノに出来る営業、あんまり育ってないけんさ」
そう言って豊島は眉をしかめて苦笑した。