Perverse second

タクシーから降りると、ほんのりと潮の香りがした。



博多港に面した会場のため、普段ではそうそう聞くことのない波の音が聞こえる。



しばらく眺めていたい気持ちを抑えて会場へと入ると、たくさんのブースが並んでいた。



えーと2課はどこだ。



キョロキョロと探していると。



「あ、三崎ちゃん!」



三崎を呼ぶ声に振り向くと、知った顔が手を振っていた。



「アイツ、豊島じゃね?」



そう三崎に同意を求めるけれど、最後に会ったのは確か3年ほど前。



本当にそうかは断言できないけれど、電話では結構話しているから間違いはないと思う。



「おー、やっぱ豊島じゃん。久しぶりだな」



「なん、柴垣も来たと?三崎ちゃんしか見とらんかった」



「相変わらず最低だな」



ケラケラ笑う豊島裕介も俺たちの同期で、滅多に会わないけれど気心知れた仲だ。



「豊島くん久しぶりだね」



「本当やね。電話では何度か話したけど会うのは1年ぶりくらいやないと?」



「そうかもねー」



人懐っこくて三崎とも気さくに話す豊島には、三崎もあまり飾らずに話せるようだ。



「2課はこっち。三崎ちゃんが来てくれてよかったー。福岡店は売上自体は悪くないけど、新規を確実にモノに出来る営業、あんまり育ってないけんさ」



そう言って豊島は眉をしかめて苦笑した。

< 85 / 193 >

この作品をシェア

pagetop