その先へ
「...コーヒー入れるね、飲むでしょ?」


ソファーに座る奏斗と入れ違いに立ち上がりキッチンへと向かう。
ペアのマグカップにドリップコーヒーをセットしお湯を注ぐ。
リビングテーブルにおくと


「おっ、ありがと」


口をつける奏斗を見届けてから、テーブルを挟んで向かい合わせてに座った。


「...奏斗」
「ん?」
「...奏斗、私、ここ、出ていくよ」
「えっ...?」
「もう、...もう、一緒に、いられない。もう、終わりにしよう...」


小さな声だったけど、まっすぐ奏斗の目を見て告げた。


「ちょ、...ちょ、っと待って、円香。終わりって...ウソだよな?」


今まで何度ケンカをしても、私達の間に『別れ』という選択肢は一度も出なかった。
だから、だから私は勘違いをしてしまったのだ。
ずっと一緒にいられると。


「ウソじゃないよ。奏斗、ごめんね...」
「昨日は!ホントに言い過ぎた。ホントにごめん。でもっ」
「奏斗」

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