その先へ
それでも、このままじゃいつか、私と奏斗は今以上に傷つけあって終わるかもしれない。
好きという愛情よりもお互いに嫌悪感を抱いてしまうかもしれない。



私は、奏斗に好きでいて欲しかった。奏斗を好きでいたかった。
ただずっと。


それは、欲張りなんだろうか。ワガママなんだろうか。



「円香~、また考えてるな?」


輝乃に声をかけられボーッとしていたことに気づく。


「あっ、うん、えへへ」


笑ってごまかした私に輝乃はため息をつき、


「円香、ごめんね」


と謝ってきた。


「何で輝乃が謝るの?」
「だって、私が『結婚しないなら別れな』なんて言ったから。ホントにそうなっちゃって、ホントにごめん!」
「やだ!謝らないでよ。輝乃はまったく悪くない。輝乃の言うとおりだもん。いい歳なのに将来の責任ももてないような男と一緒にいても仕方ないじゃない。うん。輝乃、正解。間違ってない」




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