その先へ
『円香、大丈夫か?』

アプリを開く前のお知らせ画面にそんな一文が表示されていた。

「...奏斗...」


メッセージを開かずにその画面を見続ける。


『円香、ケガとか病気とかしてない?』
『ホント大丈夫?』

続けざまにくる奏斗から身を案じるメッセージ。

「奏斗くん、ホントに円香のこと、心配してるんだね。...愛してるんだね」
「輝乃...」

輝乃の優しいこえが私を包む。私は自分の頬が濡れているのに気づいた。

「て、輝、乃、わ、私ね」
「うん」
「か、奏斗と結婚、したかっ、た。奏斗、とずっと一緒に、なって、こ、子どもも、産んで、奏斗、て家族に、なりたかった。い、一番近い、一番強い関係になりたかった...」
「うん、うん」
「でも、でも、それは奏斗の、奏斗の望んでるみ、未來じゃ、なくて、私、だけのい、一方通行で...。悲しいよ~悔しいよ~てるの~」
「泣きな、おもいっきり泣きな。で、また考えよう。それから、考えよう。だから泣きな」

輝乃の大きなお腹をかりて私は泣いた。

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