その先へ
「...ないって言われたら...別れな」


冷たい声が前から聞こえて、アイスコーヒーを見つめていた私は驚いて顔をあげた。


「...別れなって...そんな」
「だってそうでしょ?7年も一緒にいたくせに将来を考えてくれない男と一緒にいたって仕方ないじゃない」
「......」
「いつまでもはっきりしない男といる時間、もったいないよ。円香だって子ども産みたいでしょ?」
「そりゃ...欲しいけど」
「いくら今は晩婚だ、って言われても、結婚したからってすぐにできるわけじゃない。まぁ、私はたまたまできたからラッキーだったけど、親戚には不妊で何年も頑張ったお姉ちゃんもいるし。それに、子ども産むにはタイムリミットだってあるんだよ」
「うん、それは、わかっている...」
「散々付き合って、やっぱり結婚できない、しない!って言われて泣くのは円香だよ。だったら早めに決断したほうがいいって私は思う」
「.....」
「まあそうは言っても、奏斗くんがいい人だってのは私も知ってるし、円香を大事にしてるのも知ってるから。大丈夫だよ。案外、あっけらかんと、そうだなー、じゃそろそろするかー?なんて言うかも知れないよ?」
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