その先へ
輝乃に言われたことは私がずっと不安に思っていたこと。
でも、その通りだ。


女の方から結婚の事を言い出すのに抵抗があった。急かしているみたいで嫌だったし、男の人からはっきり言ってもらいたいって願望もあった。


でも、女の方にはいろいろ準備もあるしリミットもある。だったら動くべきなんじゃないだろうか。待っているだけじゃなく。


今すぐ結婚したい!というわけじゃない。
ただ、奏斗と同じ未来を見ていたいのだ。
その未来に向けて、奏斗と歩いていきたいのだ。
そう、他の誰でもない奏斗と。



奏斗の仕事が落ち着いたら、話してみよう。
輝乃の言うとおり、奏斗はあまり深く考えず、そうだな~なんて言うかもしれない。けっこうマイペースだから。


そんな風に私はポジティブに考えるようにした。不安を隠すように。



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