極甘同居~クールな御曹司に独占されました~
「うちの社員らしいよ。技術系だって。っていうか研究職? 結構有名な人らしいから、柚希なら知ってるかも」
有香が無意識に〝技術職〟と〝研究職〟という言葉を使い分けたように、研究職の方が技術より上級だと、社内のほとんどがそう思っている。
生産技術には労いの言葉もなく研究部門ばかりをPRする社長からしてそうなのだから。
でも高梨さんは私たち生産技術部門を労ってくれていたから、元恋人が研究員だと聞くとショックだった。
別に元恋人がその部門だからといって贔屓していることにはならず、そう感じるのは公私混同だということもわかっているけれど。
有香は隣でスマホを取り出し、何かを探し始めた。
「待ってよ……会社のHPに顔写真が載ってるから」
「そんなに有名な人なの?」
「社費でアメリカの大学に留学して、そのまま大学の研究所に残ったみたいよ。よっぽど優秀なんだろうね。やっぱり王子の本命ってそういうレベルなんだね」
もしかして……。
いつか私が羨望の目で眺めた、研究部門期待の女性社員の華やかな記事が蘇った。
名前までは記憶していないけれど、とても綺麗な人だったことは、はっきり覚えている。
有香が無意識に〝技術職〟と〝研究職〟という言葉を使い分けたように、研究職の方が技術より上級だと、社内のほとんどがそう思っている。
生産技術には労いの言葉もなく研究部門ばかりをPRする社長からしてそうなのだから。
でも高梨さんは私たち生産技術部門を労ってくれていたから、元恋人が研究員だと聞くとショックだった。
別に元恋人がその部門だからといって贔屓していることにはならず、そう感じるのは公私混同だということもわかっているけれど。
有香は隣でスマホを取り出し、何かを探し始めた。
「待ってよ……会社のHPに顔写真が載ってるから」
「そんなに有名な人なの?」
「社費でアメリカの大学に留学して、そのまま大学の研究所に残ったみたいよ。よっぽど優秀なんだろうね。やっぱり王子の本命ってそういうレベルなんだね」
もしかして……。
いつか私が羨望の目で眺めた、研究部門期待の女性社員の華やかな記事が蘇った。
名前までは記憶していないけれど、とても綺麗な人だったことは、はっきり覚えている。