極甘同居～クールな御曹司に独占されました～
「おー、お疲れ」


高梨さんは先に帰宅していて、私を見ると機嫌良さそうにお風呂上がりのビールを持った右手を挙げた。
最近ずっと帰りが遅かったのに今日は早いのは、きっと経営方針徹底会の準備で忙しかったのだろう。

でも忙しいのは変わらないようで、ソファーの前のテーブルにはいつもの夜と同じく仕事用のパソコンが開いている。


「今日は大きな会議が終わったから祝杯」


笑顔でそう言って、ビール缶を傾ける。


「そっちも今日は本社だったんだな。ああ、研修か」


私が会場に居たことに気づいていていない……。
微笑み返す私の顔が少しだけ引きつった。

片隅にいたのだから当然で、しかも彼はあの会議の責任者なのだからそんなことに構っている暇もなかっただろう。


でも、彼のプレゼンテーションや内容が素晴らしかったことを伝えたかったのに、長谷川さんのことを聞いたばかりの私は出席したことすら言えなくなった。


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