極甘同居~クールな御曹司に独占されました~
会社の上層部は業界紙や科学誌掲載などで対外的に派手にアピールできる研究部門がお気に入りで、社長が激励訪問したという記事を社内報で頻繁に目にする。
かたや、この第二東京事業所に社長が視察に来たのは、私の記憶ではこの五年で一度きりだ。
でも、他人は他人。画面を閉じるとドリンク剤を飲み干して気合を入れた。
「よし、頑張ろう!」
大事な仕事は山ほどある。
解析結果を第二技術部に届けた後は、防塵服を着て製造ラインに入り、液晶パネルの耐久性を検証するため負荷をかける信頼性実験のデータを計測することになっている。
王子たちと自分を比べている暇なんかないのだ。
「こら森下! サボっとらんではよ戻らんかい」
廊下を通りかかった横山課長が、丸めた資料で後ろから私の頭をパコンとで叩いていった。
横山課長は直属の上司で、コテコテの関西弁でいつも私に小言を飛ばしてくる。
私を「まろ」と命名した張本人だ。
そういう本人だって髪はボサボサだしヒゲを剃り忘れてくるし、貴重な独身組だというのに、むさ苦しいことこの上ない。
周囲がこんなのばかりだから、私の女磨きにも精が出ないのだ。
「サボってません! お昼食べ損ねたからエネルギー補給です」
答えた時には、廊下に横山課長の姿はもうなかった。
お昼抜きで働く部下のことなんか、まるで心配していない。
「人使い荒いよ、もう」
文句を言いつつ、先ほどの女性の記事を思い起こし、雲の上の存在相手に「負けないぞ」と一方的なライバル心を燃やして職場に戻った。
かたや、この第二東京事業所に社長が視察に来たのは、私の記憶ではこの五年で一度きりだ。
でも、他人は他人。画面を閉じるとドリンク剤を飲み干して気合を入れた。
「よし、頑張ろう!」
大事な仕事は山ほどある。
解析結果を第二技術部に届けた後は、防塵服を着て製造ラインに入り、液晶パネルの耐久性を検証するため負荷をかける信頼性実験のデータを計測することになっている。
王子たちと自分を比べている暇なんかないのだ。
「こら森下! サボっとらんではよ戻らんかい」
廊下を通りかかった横山課長が、丸めた資料で後ろから私の頭をパコンとで叩いていった。
横山課長は直属の上司で、コテコテの関西弁でいつも私に小言を飛ばしてくる。
私を「まろ」と命名した張本人だ。
そういう本人だって髪はボサボサだしヒゲを剃り忘れてくるし、貴重な独身組だというのに、むさ苦しいことこの上ない。
周囲がこんなのばかりだから、私の女磨きにも精が出ないのだ。
「サボってません! お昼食べ損ねたからエネルギー補給です」
答えた時には、廊下に横山課長の姿はもうなかった。
お昼抜きで働く部下のことなんか、まるで心配していない。
「人使い荒いよ、もう」
文句を言いつつ、先ほどの女性の記事を思い起こし、雲の上の存在相手に「負けないぞ」と一方的なライバル心を燃やして職場に戻った。