極甘同居~クールな御曹司に独占されました~
昼食の帰り、歯磨きのために女子トイレに寄った私は新品のクレンジングシートのパックを開けてメークをふき取ると、さらに冷たい水で顔を洗った。

クリーンルームに入るのは夕方で、まだまだ先。
でも、中途半端な自分に耐えられなかった。


「もう、やめよう……」


鏡の中の自分に呟いた。

私は何もかも器用にこなせるタイプじゃない。
自分の能力も容量も考えず、分不相応に上ばかりを見ていた。

過去に失恋した時、バランスを崩して大学の単位を落としかけたこともある。
体調管理と基本ルール遵守は社会人の鉄則だ。
ケースは違っていても、同じ轍を踏む所だったのかもしれない。


もう、やめよう。
叶わない恋にしがみつくことも、身体をいじめるようにして不必要な勉強をすることも。


そして、自分の場所に帰ろう──。



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