極甘同居～クールな御曹司に独占されました～

「行かせない」


早くこの場所から離れてしまわないと、私の心は手遅れになる。
もうそうかもしれない。

説き伏せられるまいとして、身体が無意識に彼から逃れようと抵抗した。


「どれだけ俺が我慢してたか、わかるか？」


私の動きが止まった。

何を我慢してたの……？
突然のことに頭が真っ白なり、次には自信のなさのせいで自分の生活態度を思い浮かべてしまい、彼の言葉の意味がすぐにはわからなかった。

彼の腕の中で何を言えばいいのかもわからずにいると、私を抱き締める腕の力がいっそう強くなった。
胸に頬が押し付けられ、涙が青いシャツに染みこんでいく。