極甘同居~クールな御曹司に独占されました~
毎晩そんな甘い緊張にさらされて、睡眠時間は以前よりさらに不足しているはずなのに、お肌の調子はかつてないほど絶好調だった。
顔つきまでが違っているらしく、職場で横山課長に指摘されたぐらいだ。


「森下、最近顔変わったんちゃうか」


「そうですか?」


夜な夜な恋ボケしている後ろめたさから、少し顔を隠すようにパソコンを覗き込む。


「私の顔はどうでもいいですから、早く報告書にサイン下さい」


「おお。あれどこやったかな」


机の上の山を崩し始めた課長の様子に、それ以上突っ込まれたくなかった私はほっと胸を撫で下ろした。
一か月もメークに気づかなかった課長が反応するなんて、恋の威力は絶大だ。


その気恥ずかしさは中島さんに対しても感じている。
毎朝の出勤前、身支度を整えると彼は私を捕まえる。


「リップが全部取れちゃいます」


「また塗ればいい」


ソファーの上で膝に乗せられ、たっぷりキスを受けてから家を出るのだけど、いくら普通に振る舞っているつもりでも、中島さんには頬の紅潮を見破られているような気がして恥ずかしい。



< 243 / 365 >

この作品をシェア

pagetop