極甘同居~クールな御曹司に独占されました~
数日ぶりに聞いた彼の声を思い出し、私は呻いてベッドに倒れ込んだ。


「もっと聞きたい……」


出張前から忙しい日が続いていたから、全然足りない。


〝話したいこと〟って何だろう?
隣にいたのは誰だろう?


わかるはずもないことを悶々と考えてから、私は寝転んだまま手のひらにのせたスマホを眺めた。


〝後でかけ直そうか?〟


もうすぐ寝ます、なんて答えながら、それでもかけてきてくれることをどこかで期待してしまう。こんな面倒臭い自分を知らなかった。


ずっと恋をしてこなかったのは、傷つくのが怖かったから。
丸裸の自分を知るのが怖かったから。
弱さも醜さも、本当は甘えたい、寂しがりな自分も。


今頃、彼は長谷川さんと会っているのだろうか……?


その夜、ひとりぼっちのベッドで、私は鳴らないスマホをずっと手に握っていた。



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