極甘同居~クールな御曹司に独占されました~
数分後、私たちはリビングで向かい合っていた。
「突然お邪魔してごめんなさいね」
長谷川さんはコーヒーを出し終えた私をじっと見つめてから、小首を傾げた。
「初対面のはずだけど、私、以前にあなたを見かけたことがある気がするの」
口がカラカラに渇いて、お盆を持つ手が震えた。
蘇る過去の記憶。
〝マリちゃんみたいな美人の彼女がいるのによく浮気できるな、佐々木〟
〝まあ、珍味ってやつ?〟
マリちゃん。
長谷川麻里子。
こんなにひどい巡り合わせがあるなんて。
髪型は違うし顔も当時よりほっそりして印象は少し変わったけれど、目の前の人は昔、佐々木先輩の隣にいた人だった。
「……いいえ。きっと初めてだと思います」
「あら。勘違いみたいね。ごめんなさい」
長谷川さんはコーヒーに手を伸ばしながら微笑んだ。