極甘同居~クールな御曹司に独占されました~
「同棲なんてしたこともないし、人聞きも悪いし、職場にも……困ります。これでも私、女ですから」


化粧っ気もない顔で、しかも色気のない服装で、こんなことを言うのはすごく恥ずかしかった。
それでも間違っていない。


私が育ったのは時代から取り残されたような田舎で、あまり世間ずれしていない農家の両親はさらに輪をかけて古い感覚のままだ。

私が大学進学を志した時も反対されたけれど、その理由として大きいのは女に学問は必要ないということと、都会で一人暮らしをした娘は〝傷物〟とみなされてしまうという、何とも時代錯誤なものだった。


複数の奨学金を取得して経済的に迷惑をかけないからと必死で説得して東京に来たけれど、そんな家庭で培われた私の貞操観念はやはり世間より古い。



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