極甘同居~クールな御曹司に独占されました~
「付き合っている男がいるのか?」


高梨さんの視線が私の背中に隠したピンチハンガーの色褪せたトランクスに一瞬向けられた。


「いいえ」


「じゃあ、好きな奴かいい感じの相手か」


いません、と答えかけて、少し迷った。

女、二十七歳。男っ気なし、可能性もなし。
それって、あまりに惨めではないか?


「まあそれなりに、気になってる人ぐらい、います」


嘘も方便だ。
この事態から逃げるためなら許されるだろう。


「会社?」


「そ、そうです。職場の……」


誰かいないだろうか?
自分の部門から隣近所の部門まで必死に考えたけれど、恋愛対象になるような独身男性が少なくて、咄嗟に思いつかない。


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