【短編】親愛なる夜
序章
私の名前は木暮春子。

海辺の田舎町でカフェ
『ゆるり』を営んでいる。

カフェ『ゆるり』は…

この町に流れる川の河口か
ら、少し歩いた所、小さな
海水浴場にある。

『ゆるり』の歴史は、そん
なに古くない。

数年前に亡くなった祖父が
若いときにはじめた。

二階建ての建物。

一階は、カフェ。

カウンター席といくつかの
テーブル席に古いピアノが
ある。

海岸に面したガラス戸を開
ければ、広いウッドデッキ
に出られる。

二階は、私の住居スペース
とお客さんに解放している
サロン。

サロンの窓際には、大きな
ソファー。

壁際には、古本やお客さん
の持ち込んだ手作りの品な
どを販売するための棚が並
んでいる。

たまに、お客さんが個展を
開いたりもする。

私は毎日『ゆるり』で働き
ながら過している。

『ゆるり』に訪れてくれる
お客さんたちの色々なドラ
マを眺めながら…

『ゆるり』のスケッチ
今回のお話は…?
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