イケメン嫌いのジュン
もう、『イケメン嫌いのジュン』と呼ばれるのはイヤ。
勝手なレッテルを貼られるのもイヤ。
……私は、自分の気持ちが動き始めているのに、今はまだ気づいていなかった。
「……宮森君に、お願いしに行こう……!」
そう決断した。
私は、どこかで諦めていたけど、本当は変わりたかったんだ…!
思い立つと同時に、カバンを肩にかけ、勢いよく席を立ち教室を飛び出す。
きっとまだ、そう遠くにはいないはず…!
そう思い、小走りで玄関に向かう。
「……いない………」
靴箱を確認すると、靴はすでになく、上履きだけが残っていた。
もう帰っちゃった……?
来るのが遅すぎた……。
そう、落胆して遠くを見据えると……
宮森君らしき背中が見えた。
…きっとあれだ!
私は急いで靴に履き替え、宮森君の背中をおいかける。
宮森君は歩き方もスマートで、私の走りにかなわないくらいサッサと歩いてしまう。