結婚しても恋をする

──しかし、そうは言っても男の人だ。

「こっちから行ったら、十中八九来ると思うよ」
「……やっぱ、そう思う? わたしも思ってた」

土曜の夜、学生時代の友人で鍋を囲んだ。
先日の手相メンバーが揃ったのもあり、不倫の行方をぶっちゃけると、真っ先に突っ込みを入れて来たのは部屋の主でもある千雪《ちゆき》。独身だが、結婚を考えている彼氏が居る。

男の人は、単純で弱くて可愛い一面を持っていることを、わたしはもう知っている。
そして、宮内課長は若く見えても50前のおじさんなのだ。
30を過ぎたとは言え、まだまだ若い女子に言い寄られれば、そりゃあ……。

鍋の中身を覗き込み思案していると、鶏だしのスープを啜りながら千雪が続ける。

「そうならないように、逃げてた」
「えっ嘘、千雪が?」

新婚ほやほやの璃海《りみ》が、チューハイ缶を置き身を乗り出して話に入る。

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