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9.太陽の下で
「何かあった?」

お尻が冷たい。その場にべたっと座ってしまったからだ。

制服も随分濡れてしまっている。顔にあたるスカートから嫌いな臭いがする。制服が濡れるといつもこうだ。

「悩んでんの?」

顔をあげると俊也は目の前にいた。まだ濡れている髪が顔につくのか変な表情だ。

私は立ち上がり、スカートをポンポンと、わざとらしく叩いた。

「別に?」

「別にって事はねぇだろ、話してみれば解決するかもよ?」

俊也は珍しく私の話を聞きたがった。

何でだろう。

よくわかんない奴だからいいんだけれど。

しかも、「話せ」と言われ話すような私ではない。

とりあえず定位置に戻るため歩き出す。

雨があがったとはいえ、コーティングの剥がれてしまったベンチはまだ濡れていて、座る気にはなれない。

すっかり晴れてしまった空から太陽が落ちるさまを、立ちながら見つめることとなる。


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