against
11.ヒトリ

ーー気配を消すために、息を乱さぬよう急いで歩いた。

歩くたびに声が出そうになる。昨日、あれだけ歩いた事が悔やまれる酷い筋肉痛だ。

この辺なら誰もいない。

やっと息を吸える安心感から、大きな溜め息に似た息を吐き出していた。

壊れた時計は直らずに、あれだけ加速したにも関わらず、前よりももっともっと遅く時を刻んでくれる。

とりあえず昼休みはクリア出来そうだ。

校舎の外に出たのは正解だった。朝から窮屈で苦しかったから。

……これから毎日こうなるのかな。

また溜め息混じりの息を吐いて、ちょうどいい高さにあった壁の出っ張りに腰をかけた。

< 125 / 163 >

この作品をシェア

pagetop