地獄的恐怖鬼ごっこ
「あやか……?」

気付くと後ろにはみのりがいた。

目を擦って涙を拭い、みのりの方へ身体を向ける。

「あまり見せたくなかったけど……」

みのりは申し訳なさそうな顔をしている。

でも、ちゃんと向き合わなきゃ。人の死でくよくよしていたら……この地獄の鬼ごっこには勝てない。

私が部屋から出ようとすると、みのりが声をあげた。

「そういえば、鍵見つけたの!」

「お前、マジか……!?」

今まで寂しげな表情をしていた正木が、みずきの死体を見つけ以来、初めて明るげな表情を浮かべた。

「うん。みずきが持ってたの」

みのりはちらりとみずきを流し見る。今度は私達の方を見た。

「早く行かないと、私達も狙われる。他の人たちも死んじゃう……」

そうだ。これ以上は死人を出したくない。……皆、大切な人だから。

さっきまでの緊張と疲れ、沢山泣いた事からか、少しだけ頭が痛んだ。でも、そんなの気にしてはいられない。

私達は、足早に教室を去った。
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